Vol.09

博報堂DYアイ・オーの人材育成

社員の「キャリア自律」を支える2つの支援制度
  • 鈴木さんの写真

    人材開発担当
    経営推進部 管理課
    鈴木藍香

    2007年11月入社。
    入社以来当社の経理を担当。
    2023年度より人材開発担当課長も兼任。2児のママ。

  • 中道さんの写真

    業務4部 発注統括課
    中道翔太(聴覚障害)

    2018年3月入社。
    入社時より発注書関連業務に従事し、今年で現部署6年目。
    今年度キャリア支援制度「ホームステイ研修」に自ら手を上げ2週間の研修を実施。

博報堂DYアイ・オーは、「日本一、働きがいのあるダイバシティ・インクルージョン企業へ」という企業理念のもと、社員の主体的な成長と会社の発展を共に実現していくため、様々なキャリア支援を行っています。
今回は、数ある制度の中から「キャリア異動」と「ホームステイ研修」について、社員の声を交えて紹介します。

鈴木さんの写真01

鈴木藍香さん

01 社員一人ひとりの「キャリア自律」に寄り添うサポートを

アイ・オーの人材開発に対する考え方について教えてください。

単に仕事のスキルを向上するだけではなく、一人ひとりの特性に寄り添ってサポートすることをモットーにしています。そのためには、社員個人がどのように成長していきたいかを自分自身で考える必要があります。与えられたことだけをこなすのではなく、キャリアについて自律して考えて行動できる人・努力できる人を育てていきたいというのが会社の方針です。こうした社員に求める考え方を『キャリア自律』と定義し、会社は社員の想いとニーズに応え、最大限の支援をしていきたいと考えています。

鈴木さんの写真02

02 「キャリア異動」と「ホームステイ研修」社員の希望を叶える2つの制度

『キャリア自律』を支援するために具体的に行っている取り組みはありますか?

アイ・オーには様々なキャリア支援制度がありますが、特に「キャリア異動」と「ホームステイ研修」の2つは、社員が手を挙げて利用できる代表的な制度です。いずれも『キャリア自律』を促すために約10年前から導入され、現在まで活用されています。
「キャリア異動」は、入社後3年半を経過した社員を対象に、社員自ら人事異動を希望できる制度です。その社員が従事してきた業務とは異なる経験を積むことで、ステップアップを図ることができると同時に、会社としても社員の成長や活躍を期待できると判断した場合に、希望の部署(あるいは本人の希望を元に最適と判断された部署)へ異動することができます。
「ホームステイ研修」は、社員が現在の所属部署を離れて、2週間~1ヶ月の期間、別の部署の実務を体験する派遣型の研修です。実際に別の部署で仕事をすることで、環境の変化に柔軟に対応する能力や、普段とは異なる視点の取得、現在の業務に対する新たな着想を得るなど、様々な狙いがあります。同一業務を担当して2年経過している社員が対象です。「キャリア異動」と同様、本人が研修を受けたい部署を希望することができます。

03 IT系の部署から経理へ……「キャリア異動」の活用例

実際に制度が活用された事例を教えてください。

最近の例で言うと、入社して長らくITシステム系の部署にいた社員が、「キャリア異動」制度を利用して経理系の事務業務を扱う部署へ異動しました。
本人の希望としては、①培ってきたITスキルを別の分野と組み合わせ、効率性を高めることで会社に貢献したい。②個人でコントロールする仕事が多かったため、他の社員と共同する働き方を経験したい……という考えがあり、人材開発側がその想いに応えて最適な部署を提案しました。
異動先となった部署は特に業務量の拡大でシステム化の重要度が高かったため、本人の経験を活かしつつ、会社としても今後の可能性を最大限に期待できる部署として選出しました。異動してちょうど1年ほどになりますが、上長からの評価もとても高く、未経験だった経理業務を順調に習得しながら、自身の強みであるITスキルもいかんなく発揮し、期待通り業務効率化を進めてくれています。

鈴木さんの写真03

04 キャリア支援制度が新たな社内の循環を生み出す

こうした制度が活用されることで、会社や社員にはどのような影響がありますか?

先述の例のように、自分の可能性を伸ばしたいという社員の意欲が埋もれることなく、新たな部署での活躍が生まれることは会社にとっても好ましい循環になります。「ホームステイ研修」はその良いきっかけになっていて、気軽な感覚で社員が自分の適性やキャリアを考えやすくなりますし、会社もそれを把握できるというメリットがあります。また、アイ・オーは多様な人材が働いていることに加え、業務内容も多岐にわたるので、部署が違うと働く環境やカルチャーが大きく異なります。部署同士・社員同士がお互いにどんな仕事をどのように進めているのか分かりにくいという面もあるのですが、「ホームステイ研修」があることによって、相互に業務の理解を深めたり、社内で別の環境やキャリアを模索する機会にもなっています。

05 楽しさとやりがいをもって成長できる会社に

アイ・オーが期待する「社員の成長」とはどういったものですか?

社員一人ひとりが、それぞれの働きがいや楽しさを実感しながら成長していただきたいです。また、時代の流れにあわせて柔軟に変化できること、そのために自分自身で考えることが重要だと考えています。

今後の人材開発の展望を教えてください。

人を育てることが会社の財産になるという考え方のもと、これまでも様々な施策を拡充させてきました。昨年からビジネススキルやマインドを育てるオンライン動画研修を導入し、さらに今年からは社員の声を受けてIT系の動画研修も追加することが決まっています。
人材開発としては、社員の皆がこの会社でキャリアを発展させていくことに喜びとやりがいを持つこと、輝いている人を増やしていくことが理想だと考えています。

中道さんの写真

中道翔太さん

「ホームステイ研修」を終えて

現在までの社歴と「ホームステイ研修」を希望した理由を教えてください。

2018年に中途採用でアイ・オーに入社し、今の部署に配属され6年目になります。異動の経験がなかったので、まずは他の部署がどんな雰囲気なのか気になっていました。それから、今担当している仕事の前後のフローを知りたかったというのも理由の1つです。

研修先となった部署を希望されたのはなぜですか?

発注に関わる一連のフローのなかで、担当業務の後工程となる最終段階の支払業務もアイ・オーが依頼を受け、研修先の部署で処理されるという話を聞いたことが有り、その業務を体験することで、今の仕事にも活かせると考えたからです。

中道さんと職場の人との写真

実際に業務体験をした感想はいかがですか?

2週間の研修期間だったので簡単な業務が中心でしたが、とてもいい経験になりました。今の仕事ではデータを中心に扱っているのに対して、研修先では業務の半分程は紙を使っています。実際に手を動かす中で、自分には紙の作業は合わないということがよく分かりました。業務知識が深まるだけではなく、自分の適性について思わぬ発見があり、改めて自分を見つめなおす良い機会になりました。

現在の部署と研修先の部署で感じた違いはありましたか?

現部署では、見積書などに不備があった際に、グループ会社の担当営業に修正依頼を送るのですが、修正中の進捗は、私たちからは分からず、返事が遅い場合はただ待つしかないという状況になることがありました。一方で研修先の部署では修正依頼後のやり取りも見えるようになっていて、進捗を把握しやすくなっていました。手続きにかかる時間や全体のフローを知ることができたので、研修での経験は、本来の業務にも活かしていける経験だったと思います。また、どちらの部署も同じフロアにあるものの、実際に行ってみると職場の雰囲気がまったく違うことが分かりました。今まで交流することがなかった社員とコミュニケーションが取れたことも良かったです。

中道さんと職場の人々との写真

研修を通じてご自身に変化はありましたか?

これまでは異動のことは全く考えておらず、1つの部署に長くいれば業務知識も深まり、それが会社への貢献に繋がると思っていましたが、「ホームステイ研修」を経て、幅広くいろいろな経験をすることで、貢献の可能性もより広がっていくのではないかと考えるようになりました。視野が広がり、キャリア形成に対する考え方自体が変わったと思います。

「ホームステイ研修」を他の社員にも勧めたいと思いますか?

ぜひ勧めたいと思います。今の仕事に行き詰まりを感じたり、自身のキャリアや適性について悩んでいる人にとっても、視野を広げるきっかけになる制度だと思います。アイ・オーには社員の手助けとなる制度がとても多いので、今後も多くの社員に活用して欲しいと思います。

中道さんと鈴木さんの写真

「キャリア異動」と「ホームステイ研修」、2つの制度が活用されることで、社員個人のキャリアアップと会社の発展が促進されている事例を紹介しました。博報堂DYアイ・オーでは、今後も社員の『キャリア自律』をサポートし、働きがいのある環境づくりに取り組んでいきます。