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シリーズ 博報堂DY アイ・オーの “ヒトビト”

言おう言おう! マイ オウン ヴォイス

博報堂DYアイ・オーで働く人々の生のをお届けします!

〜私たちのワーク・ライフ・バランス〜“ひとりの生活を大切にすることは
みんなが働きやすいということ”

柴田麻梨恵・増田涼子・有田聖哉 全身画像

博報堂DY アイ・オーのヒトビトファイル

Vol.03

柴田麻梨恵Marie Shibata

聴覚障害者 2009年7月入社

業務1部 HC経理受託課

2016年8月より介護休暇(祖母)、同年11月より12月まで有給休暇。2017年1月より復職。現在も自らの有給休暇を使用して介護を行う。

増田涼子Ryoko Masuda

2005年4月入社

経営計画管理課課長

2016年6月出産(第二子)、産休後、同年8月から10月まで育児休業取得。現在、育児短時間勤務を利用しながら就業中。

有田聖哉Toshiya Arita

聴覚障害者 2009年10月入社

業務3部 放送確認課

2016年10月より2017年2月末まで育児休業取得、3月より有給休暇+連続休暇。2017年4月より復職。

多様な人材が混在する会社として、社員一人ひとりが能力を存分に発揮できる「日本一働きがいのある特例子会社」を目指す「博報堂DYアイ・オー」。
多様な生き方・働き方を尊重する中、社員のワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)についての意識が高まっています。育児休暇や介護休暇を取ったり、短時間勤務で働いている3人の社員が、それぞれの体験について話し合い、働き方についての思いを伝えてくださいました。

01自分らしく働き、能力を発揮できる会社

——みなさん、「博報堂DYアイ・オー」に入社された理由を教えてください。

柴田さん - 私は職業訓練校に在学中、まず手話でコミュニケーションがとれる職場と聞いて魅力を感じ、見学に来ました。ドアが開いて中に入った瞬間、オフィスのフロアが輝いてみえたんです(笑)。明るくて、雰囲気のよい会社だと思いました。他の会社にも面接や見学に行きましたが、ここがいちばん手話でのコミュニケーションがとりやすい環境だったことと、自分に合いそうと思って、選びました。

有田さん - 私の面接で増田さんがとても上手な手話で対応してくださいましたし、お会いした方がみなさんよい雰囲気で、自分の力を発揮できると思ったので決めました。他の会社では聴者の方は手話ができないことが多いので、筆談ではコミュニケーションがとりきれない場合もあるのではないかと思うんです。この会社では手話で言いたいことが言えるし、ここで働きたいという気持ちが強かったですね。

増田さん - 以前は営業事務の仕事に携わっていました。退職後、手話通訳の専門学校に通っていたので、手話を使いながら仕事ができればいいなと思って入社しました。

インタビューの様子。左から笑顔で話す柴田さん、手をあごに当て考えている有田さん、笑顔で相づちをうつ増田さん ——お仕事内容や心がけていることについて教えてください。

有田さん - 主な仕事はテレビCMが契約通りに放送されたかどうかを照合し、確認する業務です。ラジオ局のCM枠のスケジュール入力、親会社の人事局に関する仕事もしています。責任感を持ち、わからないことがあっても自分勝手に進めずに上司に確認したり、メンバー同士確認をとって協力し合うことが大切だと思っています。

柴田さん - 私は経理伝票の照合、検印やファイリングの仕事をしています。仕事については、初めから終わりまで自分でやるので、やりがいを感じます。お金に関わることなので数字ひとつの間違いもないよう注意しています。聴者の上司や同僚とも、お互いに協力しながら進めています。

増田さん - 主に人事の仕事をしています。管理職なので課のメンバーの報告を聞いたり、相談に乗っています。立場上、判断を求められることが多いので、自分の判断が正しいのか、過去の事例と同じような基準で判断できているかなどに気をつけています。以前は採用担当でしたから、面接のときから手話で聾者の社員と関わっていました。困ったことがあればなんでも聞いてと聾者の社員には声をかけていましたし、相談にのることも多かったですね。

自分から積極的に仕事に携わっている人が多く、上司も安心して仕事をまかせられる関係性ができていると思います。

——社内の雰囲気や働きやすさについて、どのように感じていますか。

柴田さん - 社会人として初めての職場なので他との比較はできないのですが、手話でコミュニケーションがとれて言いたいことをきちんと伝えられるので、安心して働けます。手話が使えないと、もしかしたら相手と意思疎通ができないかもしれないと思うので手話ができることは大きいです。

有田さん - 主に放送確認の仕事をしていますが、他の仕事が入ってもうまく切り替えながら業務に携わっています。さまざまな経験を重ねていく中、まわりの方と手話でコミュニケーションができるので楽しみながら仕事をしていけることが、やりがいにつながっていると感じています。筆談でのやりとりだと、私自身もですが、まわりの方にも書いてもらわなくてはいけないので大変なのではと思いますね。 聴者にも手話を教えながら仕事を進めていくこともあります。聴者たちとも手話でやりとりできるようになってくると私もうれしい。貴重な体験ができていると思います。

増田さん - アイ・オーでは面接時に「手話を覚えてもらうようになります」ということをあらかじめ伝えて理解してもらっています。

有田さん - 一人ひとりが目標を持って働いているのもいいですね。自分から積極的に仕事に携わっている人が多く、上司も安心して仕事をまかせられる関係性ができていると思います。

増田さん - 以前の会社では残業が多く、子どもをふたり生んで仕事を続けているとは想像していなかったですね。下の子が1歳未満なので、育児休業から復帰した今も時短(短時間勤務制度)を使って、定時より2時間早くあがらせてもらっています。会社にいる時間が短くて迷惑をかけているのにも関わらず、私を受け入れてくださるのが有り難いなと思っています。課のみんなが私の時間に配慮して関わってくれますし、私自身も効率を考えながら仕事をしています。

インタビューの様子。左から笑顔で二人を見る増田さん、柴田さんに問い変える様子の有田さん、有田さんに返答する柴田さん

02家族のために、働き方を見直すことに

—誰にとっても働きやすく、働きがいが持てる職場といえますね。みなさんにとって育児や介護での休暇を取ったり、今も時短で働いていらっしゃることはどのような体験でしたか。

柴田さん - 私は祖母の介護をするために休暇を取りましたが、まだ20代なので自分が介護をすることになるとは思っていませんでした。祖母が倒れ、祖母と同居している兄夫婦が介護していたんですが、兄夫婦には小さな子どもが3人いるので育児と介護が重なって大変になり、私も手伝わなくてはと思って会社に相談したところ、介護休暇を取ることを認めていただきました。

増田さん - アイ・オーは社員の平均年齢も若く、介護休暇をとるという前例が今までなかったんです。柴田さんから申し出があったとき、社長も含めて話し合いました。親御さんではなくておばあさまの介護、しかも別居ということで社の規定にあてはめると条件が合わなかったのですが、経営判断として柴田さんの休暇が認められました。

柴田さん - 最初はやっぱり休暇を取ることについての不安がありました。介護に携わるのは会社を辞めることになるのではとも思ったんですが、兄が「会社に相談してみなさい」と言ってくれたので、相談してみました。上司に相談し、社長とも話し合い、許可してくださったので安心しました。

有田さん - 認められてよかったですね。

柴田さん - ほんとうに安心しました。当初は8月から10月いっぱいまで休暇を取る予定だったのですが、終わる頃になって家族みんな体調を崩してしまったんです。もう少し私が介護しなくてはいけないということになり、あらためて会社に相談しましたら、有給休暇を使えるということで12月末まで休み、1月から復帰しました。まだ祖母は介護が必要なので、課のみなさんにお願いして週に1日は休みをいただいて介護に通っています。

有田さん - 私は今、育児休業中です。昨年、妻が双子を妊娠しているとわかり、妻ひとりで育児をするのは大変だろうということで育児休業を取りたいと思いました。男性が育児休業を取った例がなかったので上司に相談し、許可をいただきました。来月に復職しますが、復帰後も時短で働かせていただく予定です。

増田さん - 私の場合、管理職での時間短縮勤務は親会社にも前例がなかったのです。当時は人事に携わっていましたので、対象者である自分も会社と一緒に制度を作っていったことからスタートしたんです。どうしたらみんなが気持ちよく私の時短での働き方を認めてくれるのか、私自身も後ろめたく思わずに気持ちよく働けるのかということを当初はよく考えていましたね。
広い意味でダイバシティの意識が根づいている会社なので、小さな子どもがふたりいる私のような立場でも働きやすいのだと思います。障害者が多く、個人に対してまわりが多少の配慮をしてあげれば、その人がきちんとスキルを発揮できるとみんながわかっている。配慮が必要な社員に私も含まれていて、時間や働き方について協力してもらっているんです。

インタビューの様子。左から発言する増田さん、正面アングルで笑顔の有田さん、二人に向いて笑顔の柴田さん —みなさんのケースは会社としても初めてのことだったんですね。休暇を取られて、考えや気持ちが変わったなどということはありますか。

有田さん - 私も一緒に子育てができたので、妻の大変さを実感できましたし、子どもの成長を日々感じています。仕事は定時が決まっていますが、育児はほぼ24時間。ミルクをあげる時間も決まった時間ではなく、いつでも赤ちゃんのニーズに応えなくてはいけないので大変です(笑)。アイ・オーでも男性が積極的に育休を取れるようになればいいと思い、自分の体験を伝えていきたいです。

柴田さん - 以前も介護についてのニュースなどを目にしていましたが、自分のこととは感じていませんでした。自分が介護に携わって、介護とは長い時間を要するものですし、さまざまなサービスを利用しないと大変だということもわかりました。今の日本の社会では介護休暇に対しての意識がまだあまり高くないのかもしれませんし、休暇を取ることで迷惑をかけるかもしれないと思っている人もたくさんいるのではと思いますが、私は介護休暇を取ってよかったと思います。こんなことが大変なんだ、こんなことが必要なんだとわかりましたので。

—お休みされた後に復職されて、まわりの方がサポートしてくださったと思いますが、いかがでしたか。

柴田さん - 前もって担当案件の仕事を割り振って引き継ぐことを課のみなさんに相談して、お休みに入りました。復職した今も週に一度お休みをいただいているので、休みの日には他の方にお願いしてサポートいただいています。

増田さん - 私は、一緒に働くメンバーへの感謝の気持ちがよりいっそう大きくなりました。育児休業から戻ってきたら、課のみんながさらに成長していて感激しました。「私がいなくても大丈夫!」と思ったほど(笑)。今も時短で働く私と同じ時間の流れでみんなが働いてくれているのかなと思います。みんながよい気持ちで働けるよう、他の面でサポートしています。

03配慮し合うことが、働きやすさにつながる

—もともと、みなさんが働きやすい会社を目指すという姿勢が基盤にあるからでしょうか。

増田さん - ダイバシティという意識の高い会社なので、前例のないことが起こっても、その都度、社員のためによい判断ができているのではないかと思います。たとえば柴田さんの介護休暇もそうですけど、規程に合わないことでも「考えてみよう」という姿勢になるんです。

柴田さん -これまでも、先輩方のいろいろなケースを見てきましたので、最初からダメと思わず、とにかく相談してみようという気持ちになりました。休暇が取れるとわかったときには、祖母を介護していた兄夫婦に「すごく助かる」と喜んでもらえました。

有田さん - 私も育児休業を取りたいと思って上司と相談しましたが、もしダメだったらショックを受けていたかもしれないですね。(笑)

増田さん - 有田くんは育休を取り、復帰してからも時短で働く予定なので奥様は助かっていると思いますね。我が家では3歳と1歳未満というふたりの子がいるので、私も夫に10分でも20分でもいいから早く帰ってきてほしいと思っているんですよ。

有田さん - 私も復職したら、帰宅して子どもたちをお風呂にいれてミルクをあげて寝かせて、なんてシミュレーションしています。

増田さん - 男性で育休を取る人が増えてはいますが、一般的には一週間など短い休暇のケースが多いようです。有田くんほど長く育休を取っている人はあまり聞かないですから、すごいなと思いますね。

有田さん - 他の会社では、育児休業を取りたくてもなかなか認められないということも聞きますが、ここは社員一人ひとりにとって働きやすい環境ですし、恵まれているのかもしれないですね。

談笑中の三人。話す増田さんを見つめる有田さんと柴田さん —みなさん、働き方を見直されて、どのようなことがよかったですか。

有田さん - 育休を取ってよかったのは、産まれてから毎日、子どもたちの成長を見ていられることですね。子どもたちはかわいいです(笑)。子育てについても勉強になりました。表情や仕草でおむつの変え時もわかるようになりましたが、毎日見ているからだと思います。やはり男性も育児休業は取った方がいいと伝えたいですね。

柴田さん - 介護についていろいろと知り、体験できたこともそうですが、以前に比べて家族と向き合う時間が増えたこともよかったです。祖母は兄の家族と同居しているので、介護に通うことで、兄の家族ともいろいろな会話ができています。

増田さん - 子どもの成長を間近で見ていられるのはほんとうに幸せだなと思いましたし、辞めずに働けることも有り難いです。下の子が3カ月になったときに保育園で預かってもらえることになったので早々と復帰しましたが、これから出産や育児を迎える社員には長く休んだほうがいいとアドバイスしたいです。

柴田さん - 介護休暇を取って、たくさんの方に支えられているということに気づきました。会社のみなさんには助けていただきましたし、復職してからもサポートしていただき、恵まれているなと感じました。

増田さん - みんなもそうなのかもしれませんが、つねに現在進行形で走りながらやってきている感じですね。もっと子どものために時間をかけてあげるべきかもしれないとは思うのですが、子どもたちも保育園が大好きで楽しんでいますし、今の環境で子どもたちにとっても私にとってもベストの状態でいるのかなと思っています。 育休中、我が家に子どもを見に来てくれたメンバーに仕事の話を聞いて、私がいないことで迷惑かけていると感じることもありました。復職した今も会社にいる時間が短いので申し訳ないですが、こんな私も受け入れてくれているので感謝しています。

有田さん - お休みをいただいて学んだこと、気づいたことを社員のみなさんに伝えたい。育休を取ろうかと迷っている人に、僕の体験を伝えることで役に立ってもらえれば。子育て中のおとうさんたちとも体験を話し合って交流したいです。