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シリーズ 博報堂DY アイ・オーの “ヒトビト”

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博報堂DYアイ・オーで働く人々の生のをお届けします!

土肥真人 全身画像

“一人ひとりが個性を生かして
能力を発揮できるチーム・企業に”

博報堂DY アイ・オーのヒトビトファイル

Vol.05土肥真人Masato Doi

上肢機能障害 2008年入社

業務2部 ITサポート課 課長

現在、業務2部ITサポート課の課長を務めています。ITサポート課では「博報堂DYグループ」および関連会社の社員へのPCレンタルをはじめ情報機器関連の運用管理やサポート業務を行っています。現在、課長として「博報堂DYグループ」各社の拠点である「赤坂Bizタワー」内で勤務しています。

01いろいろな障害があるスタッフのいるITサポート課

私が所属するITサポート課は、「博報堂DYグループ」各社で使用する情報機器関連の運用管理、サポートを行う部署です。グループ各社や関連会社の社員が自席以外でパソコンを利用する場合の貸し出し業務として、予約受付から利用方法の問合せ、スケジュール管理やパスワードなどの設定、セキュリティメンテナンスまで行っています。また、グループの基幹PCのスクリーンセーバーで情報発信するデスクトップCMの運用管理や各種データの集計・加工処理などの業務も行っています。実際に使用するグループ各社の方と接する機会も多い仕事です。10人に満たないチームですが、視覚障害、高次脳機能障害、発達障害、精神障害、そして私は上肢機能障害と、さまざまな障害を持つ社員がともに働いています。
私自身について、物心ついたときにはすでに右腕の障害がありました。ずっとこの状態なので自分では不自由に感じることはあまりなかったのですが、成長するにしたがって目立つようになり、他人から気にされるのがイヤになって長袖で隠したりしていました。野球もやっていたのですが、腕の可動域が限られていること、力がそんなに入らないことなどから、身体能力の差が優劣を決めることの多い子ども時代に格差構造のようなものを感じていました。
小学生の頃にはすでに「ひとりで生きる」ためにどうするかを考えている子どもでした。大人になってからは調理師免許を取得するなど自立して生きる方法を模索していた時期もあり、物事を突き詰めて探求するようにもなっていました。趣味も多様でそのひとつだったパソコンに詳しくなり、「博報堂DYアイ・オー」入社後はスキルを見込まれてこの課に配属されました。

  • インタビューの様子:真剣な眼差しで答えている土肥さん

02まわりから喜ばれることで
もっと成長できると思うように

仕事に関しては以前も今も障害を意識することはないのですが、自立心がある反面、入社するまでは他人との協調性を欠くことも多かったようです。以前はそれでもかまわないと考えていましたが、ここで働くようになって自分の中に変化が生じてきました。
趣味で動画の編集もやっていましたので、入社して間もない頃、先輩の退職祝いとしてムービーを作ったところ、とても喜ばれたことがありました。それをきっかけに、まわりの人々との関りと自分のスキルについて考えてみるようになったのです。自分の楽しみのために趣味を突き詰めていたことがベースになって、仕事にも生かせているし、それ以外でもまわりの方に喜ばれることができている。自分の能力は他者に理解されることでさらに価値を見出せるのではないかと思うようになりました。
障害のある社員も健常者の社員もそれぞれが個々の能力を生かして、まわりの人に理解や評価をされることで自己評価が高まり、新たな発見や成長につながる。お互いがさらに関わり合って、ともに理解し合い、成長していけたらいいと思っています。

  • オペレーション業務の様子:横顔の土肥さん

03作業しやすく工夫することが
正確性や信頼にも結びついている

ITサポート課は小さな部署なので、業務に関してほぼすべての内容をデータ化して共有しています。また、各メンバーが今何に取り組んでいるか、何ができるようになったか、毎月ミーティングを行ってお互いに把握しています。
管理職として私が心がけていることは、効率化を目指すこと。そのためにも、どのような障害があっても使いやすいようプログラムを変更するなど工夫をしています。たとえば視野狭窄を持つメンバーは細かい文字が見えにくいので大きく表示したり、行の色を変えて見やすくするといったことも。
我が社にはいろいろな障害を持つ社員がいるので、意見を聞くことで、障害の特性によってプログラムのここがやりにくいのだとわかり、やりやすいように修正ができる。障害のある人にとって何が困るのかを理解して共有できるのです。
すべての人に配慮しながらサポートし合って工夫してきたことが、結果として仕事を確実に遂行することにつながり、グループ他社や関連会社からの信頼を得られていると思います。

04スタッフ一人ひとりの
個性や能力をよく見て理解する

同じような障害であっても人によってそれぞれ違うということを理解して協働できるような職場でありたいと思っています。たとえば発達障害といっても、100人いれば100人とも特性が違うものだといわれます。目の前にいる人とよく関わって、メンバー一人ひとりが仕事をするうえで、どんな作業が難しく感じるのかを理解し、そのうえで一緒に何ができるのかを考えてもらえるように導いています。
誰かにとって苦手な作業であっても、ミスを減らす工夫をしてできるようになるのなら援助する必要があります。でも、障害の特性によってこの作業に携わることがどうしても難しいということもあるのです。その場合、その人が無理してやり続けることは効率的ではありませんし、本人にとってもストレスになります。個人によって、できることとできないことがあっていい。それを管理職として判断することも大切なのだと思い、一人ひとりの個性や能力をよく見て、能力を生かせるようサポートしています。

  • インタビューの様子:笑顔の土肥さん

ワークライフバランスを大切にしながら、業務拡大を目指して

05仕事に対する考え方や働き方も多様であっていい

ITサポート課では業務拡大を目指して、新たな業務を請け負うべく動いているところです。もっと新しいことをやりたいという意欲のある人はどんどん意思を表明して働きかけた方がいいと伝えていますし、そうすることでさらに成長していけるのだと思います。ですが、その一方で現状の仕事を今後もしっかりとやっていければいいという考え方の人もいていいのです。一人ひとりが自分の能力や個性、価値観に合った働き方ができるチームでありたい。障害者、健常者いろいろな人がいるのと同じように、多様な考え方を認め合える会社なのですから。
新たな仕事を増やすにあたり、今の環境で順調に進めていけるのかを見極める必要があります。社員に負担がかかりすぎることのないようにする、請け負うのならば私たちの強みである正確性を保ち続けなくてはいけない。それができるかを判断して初めてGOサインが出せます。そのためにも常に冷静で客観的な視点を持たなくてはいけないと思っています。
これからも一人ひとりの働き方や考え方を大切にしながら、組織としても個人としても、ともに成長できるチームにしていきます。

  • インタビューの様子:横顔の土肥さん

ここでITサポート課のメンバー、浜島郁夫をご紹介します。
彼の視点でITサポート課の業務について、また土肥さんとの関わりについて語っていただきましょう。

誰もが自由に提案できて新しいことにも取り組めます。

浜島郁夫
健常者 2016年入社
ITサポート課 チーフ

入社以前、「博報堂DYグループ」から委託されていた外部企業で情報システム関連の仕事に携わっていました。当時は外からITサポート課の緻密で正確な仕事ぶりを見ていて感心していました。入社してわかったのは、ここでは「人間はミスをする」という前提に立っているんだということ。だから「ミスをしないように頑張れ」という精神論で仕事を進めるのではなく、常に複数のスタッフで作業をチェックするなど全体で細かく気配りをしていて、それが正確性を生み出しているのです。
思ったことを自由に提案できる環境も特長のひとつです。上司や部下という立場に関係なく、効率化や業務拡大を考えて提案できますし、メリットがあると思われたら実施に向けて動いてくれる。もっとできることはないかと考えて行動しやすい空気があります。

現在は業務拡大における計画や調整をメインに動きながら、現業の効率化と安定化を図っています。仲間と一緒に試行錯誤して成果を得たり、運用改善が実感できる状態になった時、達成感を感じます。また、グループ各社の方々とも協力関係を築いて目標を達成することもあるので、そうした楽しみも社内に広めていけたらと思っています。
業務拡大のため外部に働きかけることに対して、土肥課長は新しいことを取り入れたいと私の背中を押してくれますが、新規の業務について我が社らしく確実に遂行できるのか、そのためにはどうすればいいのかも考えて判断してくれます。そこが土肥さんらしさであり、社員のプライベートな時間やワークライフバランスを大切にしている「博報堂DYアイ・オー」のよさだと思います。